老齢厚生年金

国民年金基金

 

これまで見てきたように、老齢厚生年金は、後々のこともしっかりと考えられた制度でした。
老齢厚生年金は、第2号被保険者の老齢年金の二階建て部分、つまり上乗せ部分です。
老齢厚生年金に加入していない、国民年金のみの人は、上乗せ部分がない状態です。
では、国民年金のみの人には、このような上乗せがあるのでしょうか。

 

答えは「イエス」です。
皆さんは国民年金基金という言葉を、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
国民年金基金は、老齢厚生年金のように、第1被保険者の老齢年金の上乗せにあたります。
この国民年金基金制度は、国民年金法によって平成3年に設立されました。
設立の目的は、第2号被保険者と第1号被保険者の老後に差が出ないようにするためです。
第1号被保険者は、老齢基礎年金以外は自分で積み立てないといけません。
その負担軽減からつくられたのが、この国民年金基金なのです。

 

国民年金基金は、国民年金をきちんと納めている第1号被保険者で、20歳以上60歳未満であれば加入できます。
ただし、国民年金の免除制度を受けている人は対象とならないので注意が必要です。
また、厚生年金保険に加入していない人は加入できません。
これは、そもそも会社員の方と自営業の老後の差を埋めるためにできた、いわば公平性を保つための制度なので、加入できなくても仕方がないでしょう。

 

国民年金基金は、加入は口数制になります。
1口目は終身年金のA型かB型のどちらかを選びます。
これをベースに、2口目以降は、上記の終身年金か、期間に定めがある確定年金から選びます。

 

掛金の月額は、選択した年金の種類、口数、加入時の年齢、性別によって決まるもので、上限は6万8,000円です。
納付は口座振替で、国民年金とセットで口座振替することができます。
1年分の掛金を前納すると、掛金が割引されるメリットもあります。
1年とは、4月から翌3月までです。
何口か入った後に、増やしたり減らしたりすることもできます。
しかし、1口のみの加入の場合は、それをゼロにすることはできません。

 

遺族厚生年金と同様に、国民年金基金の被保険者が亡くなった場合に、遺族には遺族一時金というものが支払われます。
遺族一時金は、掛金納付期間に応じた金額が支払われるもので、遺族の優先順位は、生計を同じくしていた配偶者、子ども、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の順になります。